2012年第4四半期におけるスマートフォンの出荷台数は、6300万台を上回ったSamsung Electronicsが首位に立った。スマートフォン市場は、SamsungとAppleでシェアのほとんどを占めるが、中国メーカーも躍進し始めている。
米国の市場調査会社であるIDC(International Data Corporation)によると、2012年第4四半期のSamsung Electronicsのスマートフォン出荷台数は、6300万台を上回ったという。同四半期におけるスマートフォンの世界出荷台数は、前年同期比36%増となる2億1940万台だった。
2012年通期では、スマートフォンの世界出荷台数は7億1260万台で、2011年から45%増加している。
2012年の携帯電話全体の出荷台数は、2011年から1.9%増となる17億台だった。また、2012年第4四半期の携帯電話全体の出荷台数は、前年同期比1.2%増の4億8250万台となった。
IDCでシニアリサーチアナリストを務めるKevin Restivo氏は、同社が発行する「Worldwide Quarterly Mobile Phone Tracker(世界携帯電話機市場に関する四半期報告書)」の中で、「スマートフォン市場では、SamsungとAppleがシェアをほぼ独占している。ただし、同市場は成長が目覚ましく、参入のチャンスはまだ十分にある。特に新興市場では、低価格帯の製品など、地域に合わせた独自の強みを持つベンダーが急速に市場シェアを拡大する可能性もある」と述べている。
Restivo氏によると、2012年第4四半期のスマートフォン出荷台数ランキングでは、中国のHuawei Technologiesが台湾のHTCを追い抜き、トップ5内にランクインしたという。
IDCで携帯電話機部門の調査マネージャーを務めるRamon Llamas氏は、「HuaweiとZTEという中国のスマートフォンメーカーがトップ5にランクインしたことは、世界市場に大きな変化が起こっていることを示している」と分析する。「両社はマスマーケットにフォーカスして販売台数を伸ばしてきたが、過去数四半期はハイエンドデバイスにも注力してきた」(同氏)という。
HuaweiとZTEはともに、大型ディスプレイと革新的なアプリケーションを搭載した、より薄型のスマートフォンを発表している。今回、Huaweiは、世界スマートフォン出荷台数ランキングで3位にランクインした。IDCは、「シンプルで低価格のスマートフォンと『Ascend』ブランドの製品ラインをそろえ、マスマーケットとハイエンド市場の両方を狙う戦略が功を奏した」と分析している。
IDCによると、2012年第4四半期は、スマートフォンが携帯電話全体に占める割合が過去最高の45.5%に上ったという。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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