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「より遠くに、正確に」、エプソンがゴルフスイング解析システムセンシング技術

セイコーエプソンは、ゴルフスイングを理想的な形に近づけていくためのゴルフスイング解析システム「M-Tracer For Golf」(MT500G)を開発し、2014年4月10日より発売する。ゴルフクラブに取り付けたセンサーでスイング時のデータを計測し、専用ソフトウェアを用いて自分のスイングを分析することができる。

» 2014年02月07日 10時15分 公開
[馬本隆綱,EE Times Japan]

 セイコーエプソンは2014年2月6日、ゴルフスイングを理想的な形に近づけていくためのゴルフスイング解析システム「M-Tracer For Golf」(MT500G)を開発し、4月10日より発売すると発表した。ゴルフクラブに取り付けたセンサーでスイング時のデータを計測し、専用ソフトウェアを用いて自分のスイングを分析することができる。スイングの課題を明確にした上で、「正しいスイング」に近づけていけば、さらなるスコアアップが可能になるという。

 MT500Gは、ジャイロセンサーと加速度センサーを組み込んだ「慣性計測ユニット(IMU)」と、運動データの解析や3D可視化を行う専用ソフトウェアからなる。専用ソフトウェアが組み込まれたスマートフォンやタブレット端末の画面には、飛球の傾向やスイングのスピードあるいは軌道が画像やグラフで表示され、その場でチェックすることができる。さらに同社が提供するクラウドサービスを利用すれば、同社が販売している「脈拍計」や「GPS機能付きウオッチ」で収集したデータも含めて、ジョギングやゴルフなど活動中の情報を一元管理することも可能だ。

 IMUはスポーツ専用に開発したセンサーを搭載している。ジャイロセンサーの分解能は3000dpsで、競合他社製品に比べて1.5倍と高いため、プロゴルファーのような速いスイングにも対応できる。加速度センサーは16Gと200Gに対応する2つのセンサーを用いているため、アドレスからインパクトまで正確な測定を可能とした。さらに、サンプリング速度は毎秒2000回と高速なため、競合製品に比べて最低でも2倍のデータを取り込むことができるという。

 IMUの外形寸法は50×25×15.5mmと小さく、重さも約15グラムと軽い。このため、ゴルフクラブのグリップ最下部に装着するのも容易だ。計測したデータは、近距離無線通信の「Bluetooth」を使って、専用ソフトウェアが組み込まれたスマートフォンなどにリアルタイムで転送することができる。

慣性計測ユニット(IMU)の外観(左)と、ゴルフクラブのグリップ部に装着した時のイメージ(右) (クリックで拡大)

 スマートフォンなどに組み込む専用ソフトウェアは、慶應義塾大学SFC研究所スポーツ・ダイナミクス・ダイナミクス・インフォマティクス・ラボと共同研究した。このソフトウェアは、最新の運動理論「3次元二重振り子理論」を用い、ゴルフスイングにおけるエネルギー伝達メカニズムの可視化や定量化を行う。専用ソフトウェアは、まず「iOS版」を用意した。「App Store」よりダウンロードして利用することができる。「Android版」は2014年7月よりサポートされる予定だ。

 MT500Gで解析するのは5つの項目である。1つは「スイング軌道」の解析である。アドレス時のVゾーンとスイング時のシャフト軌道をチェックして、Vゾーンに入る軌道でスイングすればボールをより正確に飛ばすことができるという。2つ目は「インパクトにおけるフェースの向き」の解析だ。フェース角などを制御できれば、「ドロー」や「ストレート」、「スライス」などの弾道を打ち分けることが可能となる。3つ目は「スピード」の解析である。グリップスピードの減速比などをチェックし、グリップの動きをコントロールできれば飛距離を伸ばすことができる。これ以外にも、IMUで計測したデータから「シャフトの回転」や「スイングテンポ」についても解析することが可能だ。

 MT500Gの価格はオープンだが、エプソンダイレクトショップでの価格は2万9800円(税込)を予定している。

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