2014年度版の研究開発ロードマップも示した。ヒューマン・エンパワーメント、クリエイティブ・インテリジェンス、コネクテッド・インフラストラクチャおよび共通な基盤の各領域において、向こう10年間に取り組んでいく主な研究テーマを挙げた。
説明会では、2013年度の主な研究成果として16件の技術展示も行った。この中で、「ローカルな場での端末・機器間の情報交換サービスを迅速に構築できる基盤技術」と、「マルウェアによる社内潜伏活動の高速検知技術」は初めて公開された成果である。
「ローカルな場での端末・機器間の情報交換サービスを迅速に構築できる基盤技術」は、オフィスでの会議や学校でのグループ学習、店舗における情報交換といった応用を視野に入れている。例えば、限られた範囲のWi-Fiサービスエリアに入ってきた複数の人同士が、その場で携帯端末などをつないで画面の共有や協働作業が行える環境を提供する。従来のように事前にメンバー登録やドライバのインストールが不要で、現場でIDやパスワードの入力といったシステムへのログイン作業を行う必要もないという。
具体的には、Wi-Fiサービスエリア内に設置されたローカルサーバが、エリア内に入ってきた情報端末を、Wi-FiやNFCで認識し接続対象となる情報端末であれば、他の情報端末と連携するためのソフトウェアが、サーバ側から端末に自動で配信される。これによって、現場で特別な操作を行わなくても、端末間で情報交換を行う環境を構築することが可能になるというわけだ。
この他、40Gビット/秒パケットをリアルタイムに大量蓄積しオンラインで高速検索する技術、タッチとジェスチャで作業現場を支援するグローブ型ウェアラブルデバイス、などのデモ展示を行った。
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