システム/機器に求められる性能や機能が多様化する中で、機器メーカーはローエンド製品からハイエンド製品まで、多くの製品開発/品ぞろえが必要となってきたという。これに伴い、開発エンジニアも画像処理や通信/ネットワーク、セキュリティといった、さまざまな要素技術/専門知識が要求されるようになった。Miller氏は、「高度で複雑なフリースケール製品を応用して、顧客の要求を満たすようなシステム仕上げていくには、当社のサポートエンジニアだけでは対応しきれなくなりつつある。それぞれの専門知識/技術を持ったパートナー企業との協業が、これまで以上に不可欠である」と話す。
今回のサミットから始めた分科会では、フリースケールとパートナー企業という関係に加えて、参加したパートナー同士の関係強化にも積極的に取り組む方針である。これによって、顧客の要求にマッチした、より完成度の高いソリューションを開発していくことができる、とみている。
Miller氏は、注力している半導体製品やその用途についてもいくつか挙げた。その1つがアナログフロントエンドとマイクロコントローラの機能を統合したミックスドシグナルマイクロコントローラ「S12 MagniV(マグニヴィ)」である。車載用途では小型モータを搭載したパワーウィンドウ、サンルーフ、サイドミラー、電動シートなどに用いられている。「マイクロコントローラとアナログ素子を個別に組み合わせた場合に比べて、実装面積を半分〜1/4に削減できる。車載以外の産業機器にも車載品質のS12 MagniVを提案していく」と語る。車載機器の機能安全規格に準拠したIC製品群も、組み込みソフトウェア変更などを行って、産業機器などの用途に提案していく考えだ。
MFP向けハイエンドプロセッサ、ADAS(Advanced Driver Assistance Systems)向けのマイクロコントローラやチップセットも期待製品の1つである。特に、ADAS向けで障害物検出センサーとして一般的に用いられている77GHz帯ミリ波レーダーとビジョンセンサーの両方式に対応するソリューションを持ち合わせていることが同社の強みである。これによって、ハイエンドシステムからローエンドシステムまで、車両グレードに応じた柔軟性のあるシステム開発が可能になるという。
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