スマートフォンやタブレット端末の高い需要を受けて、半導体専業ファウンドリ市場は堅調な成長を続けるとみられている。売上高シェアは、主要4社がほとんどを占めている状態だが、中でもTSMCは生産能力、資金力ともに群を抜いている。
米国の市場調査会社であるIHS iSuppliによると、2012年における世界の半導体専業ファウンドリ市場は、前年比12%増となる296億米ドルに達する見込みだという。2011年の市場規模は265億米ドルで、2010年に比べ3%増であった。
同社によれば、この12%という成長率は、世界半導体市場全体の成長率の約3倍に相当するという。専業ファウンドリ市場の需要は、2012年第1四半期後半から着実な伸びをみせている。
また、ファウンドリ市場の売上高は今後、少なくとも2015年までは増加し続ける見込みだという。2013年には前年比14%となる336億米ドルに達し、その後2014〜2015年にかけて、2桁台の成長率を維持するとみられる。
IHS iSuppliの半導体製造部門担当ディレクタ兼チーフアナリストを務めるLen Jelinek氏は、発表資料の中で、「専業ファウンドリ市場の成長は、スマートフォンやタブレット端末などの携帯型電子機器の高い需要によってけん引されている。しかし今後、市場全体の競争が激化するに伴い、平均販売価格(ASP)が下落する見込みであることから、対応を迫られるだろう」と述べている。
専業ファウンドリ市場の売上高は、ティア1(第1階層)サプライヤ4社が大きな割合を占める。2011年の売上高は、第1位のTSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company)が2位以下を大きく引き離して140億米ドル、第2位のUMC(United Microelectronics)が36億米ドル、第3位のGLOBALFOUNDRIESが35億米ドル、第4位のSMIC(Semiconductor Manufacturing International Corporation)が13億米ドルである。第5位のTower Semiconductorは6億1300万米ドルだ。
また、TSMCの生産能力は、すべての競合他社の生産能力の合計を上回る規模だという。さらに、資金力の面でも他社を圧倒している。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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