NECや富士通、東芝など日本国内のPCメーカー各社は2012年10月、冬季商戦に向けて新製品を発表した。昨今、PC時代の終えんについての議論が盛んになっているが、日本企業は、飽和状態に近づきつつあるPC市場で、Windows 8が成長の起爆剤になることを期待している。
富士通は、「Arrows Tab」シリーズの新型タブレット端末を発表した。世界最薄の厚さ9.9mmを実現したWindows 8搭載タブレット端末で、防水性能や視線アシスト機能を備える。注目を集める視線アシスト機能は、視線を動かすだけで、画面を上下左右にスクロールできる。販売価格は10万円(1263米ドル)とみられる。
NECは、360度回転する液晶ディスプレイを搭載し、タブレット端末としても使用できる新型ノートPC「LaVie Y」を発表した。LaVie Yは、NECがLenovoと共同開発した製品で、Windows 8のタブレット端末向けバージョンである「Windows RT」を国内で初めて搭載した製品だ。販売予想価格は約9万円(1137米ドル)である。
東芝は、キーボードを液晶ディスプレイの下にスライドさせることで、タブレット端末としても使用できるノートPCを発売する。販売価格は約15万円(1895米ドル)と予想される。
Acer Japanも、10インチディスプレイのWindows 8搭載タブレット端末を発売すると言われている。販売時期は2012年末で、価格は7万円(884米ドル)前後とみられる。
Microsoftの「Surface」は、米国では499米ドルで販売される。もし日本で発売されれば、これら日本メーカーの新製品と真っ向から勝負することになる。
Windows 8を搭載する新型タブレット/PCによって、日本のPC業界が波に乗れるかどうかは、まだ定かではない。市場調査会社のIDC Japanによると、2012年の国内PC出荷台数は1630万台で、2011年からの成長率はわずか4%にとどまると予想されている。
確実に言えるのは、日本の年末商戦において、PCの価格競争はかなり激しくなるということだ。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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