2014年の半導体設備投資は622億3000万米ドルと、過去最高になると予測されている。トップはサムスン電子とインテルで、ともに110億米ドルを超える。
米国の市場調査会社IC Insightsによると、メモリメーカーや半導体ファウンドリの設備投資額は、2014年に過去最高となる見込みだという。具体的には、2014年における半導体製造業界の設備投資額は、前年比8%増の622億3000万米ドルになると予測される。
2014年の半導体製造設備投資額の堅調な伸びをけん引するのは、2013年に比べて大幅に設備投資額を増やすSanDiskやMicron Technologyだが、設備投資額ランキングの上位5社に動きはなく、Samsung ElectronicsとIntelがそれぞれ110億米ドルで上位に立つようだ。
大手ファウンドリTSMCの設備投資額は、SamsungとIntelよりやや低い約100億米ドル。2014年の半導体製造業界全体の設備投資額(622億3000万米ドル)のうち、上位3社が52%、上位5社が66%を占める見込みである。
上位10社のうち9社は、2014年に10億米ドル以上を製造設備に投じると予測されている。10億米ドルは、最先端の半導体を製造し続けるために必要な“閾値の額”といわれる。10位にランクインしたSMICの設備投資額は、2013年に前年比30%増、2014年にも前年比で35%増加する見込みだが、それでも“閾値の額”を超えるのは厳しかったようだ。
今回、前年比で最も投資額を増額するのはSanDiskだ。同社は、2012年は28%、2013年は12%、投資額を削減している。だが2014年は、メモリ製造で提携関係にある東芝とともに高度な3D NANDフラッシュメモリの生産を拡大するため、2013年比で86%増やす計画だとしている。
Micron TechnologyとGLOBALFOUNDRIESは、ともに設備投資額を2013年よりも10億米ドル増やす。
とはいえ、一貫した設備投資ではSamsungとIntelが突出している。Samsungは2012年から2014年にかけて353億米ドルを投じると見込まれるが、そのうち約60%はメモリ生産に向けたものだという。一方のIntelが同期間に設備投資に投じるのは326億米ドルで、総支出額ではSamsungに次いで2位と予測される。この設備投資額は、最先端の300mmウェハー製造施設を複数建設して整備するのに妥当な額といえる。
2014年の“その他(others)”に分類される設備投資額は前年比で3%伸びる見込みで、半導体業界全体に比べてかなり緩やかな伸びになると予想されている。IC Insightsはその理由として、このカテゴリの企業の多くが、現在はファブライトもしくはファブレスであることを挙げた。
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