新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、パワーエレクトロニクスの新たな応用分野を見出すために、新たな先導研究に取り組む。同分野における独創性や革新性の高い用途発掘と新市場創出を目指す。
Integrated Device Technology(IDT)は、エンハンスモードの窒化ガリウム(eGaN)FETで強みを持つEfficient Power Conversion(EPC)と提携した。両社は、eGaN技術とシステム化のノウハウを持ち寄り、通信・コンピュータやワイヤレス給電、RF回路に向けた高速で高効率の半導体デバイス製品を共同開発していく。
パナソニックは、耐圧600VのエンハンスメントモードGaN(窒化ガリウム)パワートランジスタを発表した。小型の表面実装型パッケージを採用しており、実装面積の省スペース化と高速スイッチングを可能とした。
ロームは2015年4月23日、トレンチ構造を用いたSiC(炭化ケイ素)によるMOSFET(以下、SiC-MOSFET)を開発し、2015年6月から量産すると発表した。
ロームは2015年4月、パワー半導体素子を全てSiC(炭化ケイ素)デバイスで構成したフルSiCパワーモジュールとして、定格1200V、300Aを実現した「BSM300D12P2E001」を2015年6月から量産出荷すると発表した。
オン・セミコンダクターとTransphormは、耐圧600VのGaN(窒化ガリウム)トランジスタ2製品を発売した。小型電源やアダプタなどの用途に向ける。同時に新製品を搭載した240Wリファレンスデザインキットも発表した。
STマイクロエレクトロニクスは、耐圧1200VのSiC(炭化ケイ素)パワーMOSFET「SCT20N120」を発表した。EV/HEV用インバータや太陽光/風力発電システム、スマートグリッド機器といった用途に向ける。
ロームは、国際カーエレクトロニクス技術展において、トレンチ型構造の第3世代SiC(炭化ケイ素)MOSFETを紹介した。現行品に比べてオン抵抗をほぼ半分に低減した。
インフィニオン・テクノロジーズは、300mmウエハーによるIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)の量産を2014年中に開始する明らかにした。量産当初は最大1200V耐圧の家電向け製品を展開し、早ければ産業向け製品も2015年から量産する予定だ。
東レ・ダウコーニングは2014年9月18日、6インチ(150mm)サイズのSiC(炭化ケイ素)ウエハーとして、マイクロパイプ密度(MPD)や貫通らせん転位(TSD)など欠陥の量を保証した製品(3グレード)を発売したと発表した。
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、SiC(炭化ケイ素)パワーデバイスを用いた、自動車や鉄道車両向け応用システムの開発を加速するために、3テーマの助成事業と1件の委託事業を行う。
三菱電機は2014年7月、SiC(炭化ケイ素)を用いたMOSFETとダイオードを使った“フルSiC”構成の家電向け小型パワー半導体モジュールを発売した。新製品は2014年7月23〜25日に開催される展示会「TECHNO-FRONTIER 2014」(東京ビッグサイト)で展示される。
JR東日本は2014年7月、2015年秋頃に山手線で営業運転を開始する新型電車車両「E235系」の主制御器に、SiC(炭化ケイ素)を使用したパワー半導体を搭載すると発表した。
ノリタケカンパニーリミテド(以下、ノリタケ)は、炭化ケイ素(SiC)パワー半導体向けに、温度範囲が−40〜250℃で1000回の耐熱サイクル性を実現した金属セラミック基板を開発したと発表した。
情報通信研究機構(NICT)は、2014年4月をメドに次世代パワーデバイス材料の1つである酸化ガリウムを使ったデバイスの実用化を目指した本格的な開発プロジェクトを発足させる。国内電機メーカーや材料メーカー、半導体製造装置メーカー、大学などと連携して2020年までに酸化ガリウムパワー半導体デバイスの実用化を目指す。
ロームは、SiC(炭化ケイ素)を用いたMOSFETデバイスの価格が、2016年度には、Si(シリコン)ベースのIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)価格の1.5〜2倍程度に低減できるとの見通しを示した。現状、10倍程度とされるSiCデバイスとSiデバイスの価格差が見通し通り大幅に縮めば、SiCデバイスの普及に拍車が掛かることになる。
情報通信研究機構などは、次世代パワー半導体材料の1つである酸化ガリウムを用いたMOSFETを開発したと発表した。酸化ガリウムは、炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)よりも、パワー半導体に向く材料物性を備えるという。
Infineonは、300mmウエハーを用いたパワーMOSFETの生産を開始すると発表した。200mmウエハーを用いる場合に比べてチップの生産量が2.5倍に増加するため、コスト的なメリットがあると同社は主張する。
次世代パワー半導体の旗手として脚光を浴びるSiC(炭化ケイ素、シリコンカーバイド)。SiCパワー半導体を利用したシステム製品も登場しており、次は自動車への採用に期待が掛かる。だが、SiCにはまだまだ課題が残っていた。その1つが寿命だ。
SiC(炭化ケイ素)と並んで次世代パワー半導体の旗手として脚光を浴びる「GaN」(窒化ガリウム)。しかし、実用化が進むSiCと比べて、GaNの開発は遅れているように見える。GaNを採用すると、SiCと同様に電力変換時の損失を低減できる。さらに、SiやSiCよりも高速なスイッチングが可能だ。これは電源の小型化に大いに役立つ。しかし、ノーマリーオフ動作が難しいという欠点もある。こちらは電源には向かない特性だ。GaNの長所を伸ばし、欠点をつぶす、このような開発が進んでいる。
ルネサス エレクトロニクスは、導通損失とターンオフ損失がいずれも低い第7世代のIGBTを製品化した。太陽光発電システムなどに向ける。
省電力技術の重要性が一段と増している。国内の電力の6割を使うモーターの消費電力を引き下げたり、太陽光発電システムの出力量を高められる技術の注目度が高い。その鍵を握る技術の1つが「SiC」である。だが、SiCには弱点があった。信頼性が既存技術に比べて低い。どうすればよいのか。ロームの取り組みを紹介する。
新日本無線がアルミニウム電極への銅太線ワイヤボンディング量産技術を発表。低損失で環境性能も高い銅製ワイヤの配線によるパワーデバイスの量産技術が確立された。
サーバ用電源では効率向上が強く求められている。富士通研究所は電源内部で発生する性質の異なった2種類の損失を防ぐために、それぞれ新規開発の技術を適用、94.8%の最高効率を実現した。特にトランジスタ内で生じるスイッチング損失を、一種の「回生回路」で再利用する取り組みが新しい。さまざまな機器の電源に応用できる。