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STとサムスンが28nm FD-SOIの製造協力で合意2015年にサムスンもFD-SOI量産へ

STマイクロエレクトロニクスとサムスン電子は2014年5月14日、28nmの製造プロセスルールによる完全空乏型シリコン・オン・インシュレータ(FD-SOI)技術のマルチソース製造協力に関する包括的契約を締結したと発表した。

» 2014年05月15日 11時30分 公開
[EE Times Japan]

 STマイクロエレクトロニクスとサムスン電子は2014年5月14日、28nmの製造プロセスルールによる完全空乏型シリコン・オン・インシュレータ(FD-SOI)技術のマルチソース製造協力に関する包括的契約を締結したと発表した。

サムスンの量産開始は2015年初めを予定

 契約の合意により、STが開発した28nm FD-SOIのプロセス技術と設計エコシステムがサムスン電子に提供され、サムスン電子は2015年初めにも自社の300mmウエハー対応製造拠点でFD-SOI技術を用いたデバイスの量産を実施する。これにより、STの28nm FD-SOI技術を使ったデバイスの製造拠点は、既に量産中のフランス・クロルのSTの300mmウエハー対応拠点と合わせて、複数箇所となり「マルチソースが確立され、両社の量産技術に関する豊富な経験と幅広い知識によって生み出される利点を顧客に提供する」(ST)という。

 FD-SOI技術は、SOIウエハーの表面にある極めて薄いシリコン層に、プレーナ型のCMOSを構成する技術。低電圧動作が可能になるなどの利点がある。

 STでは、フランス・グルノーブル地域の技術クラスタにおいて、CEA-Leti、SoitecなどとともにFD-SOI技術を開発し、2013年から量産出荷している。従来の半導体製造プロセスの微細化の限界が指摘される中で「FD-SOIは、(従来製造プロセスの)代替製造プロセスと異なり、既存の設計フロー、豊富なEDA(Electronic Design Automation)ソフトウェア、従来の製造設備を継続利用できるといったメリットがある。特にSTのFD-SOI技術は、既存の製造ツールおよび設備に対するこれまでの投資を無駄にせず、高速性能および低動作時温度の最適なバランスを実現する。この技術は、既存の設計フローや製造設備の活用をはじめ、プロセスの複雑さを大幅に軽減する」とFD-SOI技術の利点を強調している。

 またサムスン電子のシステムLSI事業担当エグゼクティブ・バイスプレジデントであるSeh-Woong Jeong氏は、ニュースリリースの中で「20nmノードへ移行せずに28nmノードを使ってさらなる性能や電力効率を求められるお客さまにとって、このソリューション(=STの28nm FD-SOI技術)は理想的。28nmプロセス技術は生産性の高いプロセス技術であり、既に確立されている製造設備を長期にわたり利用できると期待されている」とコメントしている。

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