スマートフォンから無線LANアクセスポイントへの接続が、ノートPCからの接続を初めて上回った。こうした動きにより、公衆無線LANにシームレスに接続できる「Next Generation Hotspots」の導入が進むとみられている。
Wireless Broadband Alliance(WBA)は、世界的なリサーチ企業であるInforma Telecoms & Mediaがまとめた無線LANアクセスポイント市場に関するリポートを発表した。リポートによると、スマートフォンから無線LANアクセスポイントへの接続が、ノートPCからの接続を初めて上回ったという。
こうした動向は、業界が新たな公衆無線LANローミングの仕組みである「Next Generation Hotspots(NGH)」の導入を推進するにつれ、さらに加速するとみられる。NGHが導入されれば、現在急速に増え続けているスマートフォン利用者は、公衆無線LANローミングをより簡単に使えるようになる。
今回の調査では、無線LANアクセスポイントに接続された端末のうち、最も多いのはスマートフォン(40%)であることが明らかになった。それに僅差で続くのはノートPC(39%)で、近年急速に普及しているタブレット端末(17%)が続く。
リポートによれば、公衆無線LANに自動接続できる「Wi-Fi CERTIFIED Passpoint」に対応する機器の導入も進んでいるという。今回の調査に答えた事業者のうち19%が、2013年中にNGHの導入を検討しているとしている。NGHは、ユーザー名やパスワードを入力せずにセキュアな接続を実現するので、特にスマートフォンからの公衆無線LANへのアクセスを簡素化できる。また、NGHは、モバイルブロードバンドネットワークの混雑の緩和に有効な手段とみられている。
通信業界は、公衆無線LANに対してますます前向きな姿勢を示している。今回の調査に回答した事業者のうち43%が、「ここ1年、公衆無線LAN技術に積極的に投資した」と答えた。また、75%の事業者が「旅行中にアクセスポイントに接続するユーザーは全体の10%以下」と回答しており、無線LANローミングの大きな可能性も明らかになった。NGHでは、ユーザーは自分が契約している通信事業者と提携する事業者のアクセスポイントへ自動で接続できるようになる。そのため、NGHは、ローミングサービスの世界的な利用を増やすための重要な手段といえる。
調査によれば、今後は
の4つのエリアにおいて、公衆無線LANアクセスポイントが増加するという。調査に答えた事業者の70%以上が、公衆無線LANアクセスポイントとLTEの両方に投資を続ける方針であると答えている。そのため、公衆無線LANアクセスポイントが導入される拠点には、LTEも並行して導入されるとみられる。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.