東芝は2014年10月2日、15nmプロセスで製造したNAND型フラッシュメモリを用いた組み込み式NANDメモリチップを発表した。11×10mmのパッケージサイズで8G〜64Gバイトまで製品化する他、11.5×13mmサイズの128Gバイト品などもそろえる。
東芝は2014年10月2日、15nmプロセスで製造したNAND型フラッシュメモリを用いた組み込み式NANDメモリチップを発表した。11×10mmのパッケージサイズで8G〜64Gバイトまで製品化する他、11.5×13mmサイズの128Gバイト品などもそろえる。
製品化したNANDメモリチップは、スマートフォンをはじめタブレット端末、ウェアラブル端末向けに開発した製品。最先端の15nmプロセスを用いて、8G〜64Gバイトの製品で従来よりパッケージサイズを約26%小型化した。
新製品は、いずれもNANDメモリの制御機能(書込みブロック管理、エラー訂正、ドライバーソフトウェアなど)を搭載し、ユーザー側での開発負荷が軽減され、システム開発期間の短縮につながるという。BKOPS制御、キャッシュバリア、キャッシュフラッシングレポート、ラージRPMBライトなどの新規機能*1)にも対応している。
*1)BKOPS制御=バックグラウンドオペレーションをデバイスの待機時間に実行する機能
キャッシュバリア=キャッシュに入っているデータをメモリチップに書き込むタイミングを制御する機能
キャッシュフラッシングレポート=デバイスのデータ書き込み順番がFIFOであるかどうかを通知する機能
ラージRPMBライト=RPMB領域に書き込めるデータサイズを8Kバイトに拡大する機能
読み出し/書き込み性能の向上を図り、従来製品に比べて読み出し速度が最大約8%、書き込み速度が最大約20%、高速になっている。なお、128Gバイト品は、HD画質動画で約16.3時間、SD画質動画で約39.7時間、ワンセグ放送では約668時間の映像データの記録が行えるという。
今回、発表した製品の詳細と量産時期は次の通り。
型名 | 容量 | カテゴリ*2) | パッケージ | 量産時期 |
---|---|---|---|---|
THGBMFG6C1LBAIL | 8GB | Supreme | 11.5x13x0.8mm | 2015年4〜6月期 |
THGBMFG6C1LBAIT | 8GB | Supreme | 11x10x0.8mm | 2015年4〜6月期 |
THGBMFG7C2LBAIL | 16GB | Supreme | 11.5x13x0.8mm | 2015年1〜3月期 |
THGBMFG7C2LBAIW | 16GB | Supreme | 11x10x1.0mm | 2015年1〜3月期 |
THGBMFG7C1LBAIL | 16GB | Premium | 11.5x13x0.8mm | 2015年1〜3月期 |
THGBMFG8C4LBAIR | 32GB | Supreme | 11.5x13x1.0mm | 2015年1〜3月期 |
THGBMFG8C4LBAIW | 32GB | Supreme | 11x10x1.0mm | 2015年1〜3月期 |
THGBMFG8C2LBAIL | 32GB | Premium | 11.5x13x0.8mm | 2015年1〜3月期 |
THGBMFG9C8LBAIG | 64GB | Supreme | 11.5x13x1.2mm | 2015年1〜3月期 |
THGBMFG9C8LBAIX | 64GB | Supreme | 11x10x1.2mm | 2015年1〜3月期 |
THGBMFG9C4LBAIR | 64GB | Premium | 11.5x13x1.0mm | 2015年1〜3月期 |
THGBMFT0CBLBAIS | 128GB | Supreme | 11.5x13x1.4mm | 2015年4〜6月期 |
*2)東芝eMMC製品のカテゴリで、Supremeはハイエンドクラス、Premiumはミドル・ローエンドクラスに適した製品群を指す |
16Gバイト品は既にサンプル出荷を開始し、8Gバイト、32〜128Gバイト品については順次サンプル出荷を開始する予定。東芝では、「NANDメモリは、スマートフォンやタブレットなどを中心に需要が増加傾向にあり、中長期的にも市場拡大が見込まれると考えている。今後も高性能で大容量のメモリ製品のラインアップを強化し市場におけるリーダーシップを堅持していく」としている。
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