日本ナショナルインスツルメンツは2012年5月15日に新製品説明会を開催し、同社の「グラフィカルシステム開発」の特徴をあらためて説明した。加えて、XilinxのFPGA製品群「Zynq(ジンク)」やスマートフォン/タブレットPC、クラウドコンピューティングを活用するという最近の取り組みを紹介した。
日本ナショナルインスツルメンツ(日本NI)は2012年5月15日に東京都内で報道機関向け新製品説明会を開催し、ボード型の計測/制御用コントローラ「NI シングルボードRIO」の新製品の特徴や、同社が提唱する「グラフィカルシステム開発」の5つの優位性を紹介した。
説明会ではまず、同社の代表取締役を務める池田亮太氏が登壇し、日本市場を取り巻く最近の状況を以下のようにまとめた。「中国や韓国といったアジア勢の台頭や、日本国内の高齢化、さらには2011年の東日本大震災の発生など、日本の製造業を取り巻く状況は厳しい。このような状況だからこそ、今までになく“イノベーション”の創出が強く求められている」(同氏)。
製造業における「イノベーションの創出」を支援するために同社が提案しているのが、グラフィカルなシステム開発ツール「LabVIEW」と、ソフトウェアで機能を定義可能なPCベースの計測/制御用ハードウェア群を組み合わせた「グラフィカルシステム開発プラットフォーム」である(関連記事:組み込みシステム開発の制約を解き放つ)。
池田氏は、「PCはコンピュータ技術を身近にした。組み込み技術にも同様の進化を」という、日本NIの親会社であるNational Instrumentsのプレジデント兼CEO(最高経営責任者)を務めるJames Truchard氏の言葉を引き合いに出し、グラフィカルシステム開発プラットフォームの適用分野が、計測/制御システムのみならず、組み込み分野にも広がっていくと語った。
続いて登壇した日本NIのプロダクト事業部のプロダクトマーケティングマネージャを務める長野達朗氏は、同社のLabVIEWおよび計測/制御用ハードウェア群の優位性として以下の5つを挙げた。
最近の話題として、ARMのプロセッサコア「Cortex-A9 MPCore」をハードマクロとして集積する、XilinxのFPGA製品群「Zynq(ジンク)」を同社の計測/制御用ハードウェアに利用するための製品開発を進めていることや、タブレットPCやスマートフォンで状態監視や制御のアプリケーションソフトウェアを作成するための「Data Dashboard for LabVIEW」を2012年4月にリリースしたこと、クラウドサーバを介して計測/制御用ハードウェアからデータを引っ張ってくる「NI TDC(テクニカルデータクラウド)」のα版のサービスを始めたことなどを紹介した。
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