サンケン電気は、開発中で一部顧客向けサンプル出荷を実施しているGaNトランジスタを参考出品した。耐圧600Vでノーマリオフ動作を実現し、定格電流10A、20A品からラインアップする方針。また寄生インダクタンスの小さなQFNパッケージを採用した上で、「GaNの高速スイッチング性能を生かすために、専用ゲートドライバICもワンパッケージに同梱する点なども当社GaNデバイスの特徴にしたい」(説明員)とする。GaNデバイスの量産時期については「2013年度中を目指している」とした。
サンケン電気では、GaNトランジスタとともに、SiCダイオード、SiCトランジスタの展示も実施した。SiCダイオードは2013年後半、SiCトランジスタは2015年の量産を予定し、サンプルの配布を実施中。ブースでは、SiCダイオード、SiCトランジスタを用いた「フルSiCモジュール」として耐圧1200V、定格電流20A品を展示した。
ロームは、2012年から量産を開始しているフルSiCモジュールなどを紹介。シリコンによるIGBTに比べ、体積がほぼ半分になり、スイッチング損失も85%以上低減できる点などをアピールした。またSiCトランジスタの応用例として、スイッチング周波数200kHz動作の実験用インバータユニット(入力電圧800V、出力電流72.2Arms、容量50kVA)なども展示した。
IGBT大手の三菱電機は、既に製品化済みの産業機器向け、家電向けのフルSiCモジュール、ハイブリッドモジュールとともに、開発中の製品として、電流センス機能を搭載したSiCトランジスタを用い、さらに駆動回路、保護機能も含めてワンパッケージ化したフルSiCのIPM(インテリジェントパワーモジュール)を展示した。同じく開発中の製品として、1200V耐圧、定格電流800Aの大容量フルSiCモジュールを紹介。産業機器向けの製品で従来のIGBTに比べ設置面積を60%削減でき、インバータ部の小型化、軽量化に貢献するという。
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