“できるエンジニア”は、専門分野にかかわらず、上記のような行動をとっています。1つ1つの行動は、特別なことはありません。ちょっと努力をすれば、今日からでもできることばかりです。しかし、そうはいっても、人の性格というのはさまざまです。他人と話をするのが苦手な人もいれば、人の意見に左右されやすい人、人の前に立つよりも一歩後ろに下がって見ていることが好きな人もいるでしょう。できるところから始めればいいのです。
若手のエンジニアが、何年かして“できるエンジニア”となり、やがて誰もが認めるトップエンジニアになっていく。トップエンジニアの若かりしころの行動と、若手の“できるエンジニア”の行動は、昔も今も変わっていないのです。
さて、次回からは、現場を川崎テックデザインに戻します。
バッターボックスに向かおうとしない佐々木さんですが、少しずつ田中課長の熱意も感じ始めています。一方で、田中課長は、OJTを開発現場に任せきりにしている人事部のやり方に対して、疑問と不満を持ち始めます。開発の人材が育たなくて困るのは、開発現場で働く自分たちだということを、誰よりも分かっているからです。
第9回は、佐々木さんを“できるエンジニア”に育てたい田中課長と、人事部とのやり取りから始まります。お楽しみに。
パナソニック エクセルスタッフが主催するエンジニア育成プログラムにて、本コラムの著者、世古雅人氏が講師として登壇します。
【セミナー名】“ものをつくる前に人をつくる” パナソニック流エンジニア育成プログラム
【日時】2012年9月4日(火)14:00〜16:30
【場所】大阪府 ヒルトンプラザウェスト オフィスタワー8階 C会議室
詳細はこちらをご覧ください
世古雅人(せこ まさひと)
工学部電子通信工学科を卒業後、1987年に電子計測器メーカーに入社、光通信用電子計測器のハードウェア設計開発に従事する。1988年より2年間、通商産業省(現 経済産業省)管轄の研究機関にて光デバイスの基礎研究に携わり、延べ13年を設計と研究開発の現場で過ごす。その後、組織・業務コンサルティング会社や上場企業の経営企画責任者として、開発・技術部門の“現場上がり”の経験や知識を生かしたコンサルティング業務に従事。
2009年5月に株式会社カレンコンサルティングを設立。現場の自主性を重視した「プロセス共有型」のコンサルティングスタイルを提唱している。2010年11月に技術評論社より『上流モデリングによる業務改善手法入門』を出版。
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