自動車関連のソフトウェアアプリの数は確実に増加している。自動車メーカーは、こうした傾向が自動車の未来を変えると認識しているようだ。
自社製のSDKという武器を得たGeneral Motors(GM)は、GM車向けにユニークな車載アプリを作成できるようなソフトウェア開発者を募っている。また、Fordは、Ford車向けスマートフォンアプリを作成するためのSDKをソフトウェア開発者に提供している。
Juliussen氏は、GMとFordの独自の取り組みとは別に、「少なくとも米国には、自動車にスマートフォンアプリを搭載するためのアプローチが4つある」と説明した。
まずはCarPlayを通じたアプローチ、2つ目はCar Connectivity ConsortiumによるMirrorLink、3つ目はOpen Automotive Alliance(OAA)が主導するAndroid、そして4つ目がAha Radioだ。
下図は、自動車とスマートフォンアプリを統合する際の選択肢を示したものだ。
この図から、スマートフォンのアプリを自動車に統合することがいかに複雑かが分かる。それを考慮すれば、自動車メーカーがCar Playのようなプラットフォームを求めるのは自然な流れだと言えよう。特に、米国ではiPhoneの地位が高く、「CarPlay以外に選択肢はない」と考えている自動車メーカーもあるという。
Appleは、スイス ジュネーブで開催中の「第84回ジュネーブ国際モーターショー」(一般公開日2014年3月6〜16日)において、フェラーリやダイムラーの「Mercedes Benz(メルセデス・ベンツ)」、ボルボがCarPlay対応モデルを発表することを明らかにしている。その他、ホンダ、三菱自動車、日産自動車、富士重工業、スズキ、トヨタ自動車、BMW、フォード、GM、Hyundai Motor(現代自動車)、「Jaguar」と「Land Rover」ブランドを展開するJaguar Land Rover(ジャガーランドローバー)、Kia Motors(起亜自動車)、「Peugeot(プジョー)」と「Citroen(シトロエン)」ブランドを展開するPSAグループの16社が対応車両の発売を予定している。
なお、上記の自動車メーカーのいくつかは、2014年1月に立ち上げられたOAAにも参加している(関連記事:Androidと自動車の橋渡しを、NVIDIAがOAAで果たす役割)。
Strategy Analyticsのグローバルオートモーティブ部門でアソシエートディレクタを務めるRoger Lanctot氏は、「自動車メーカーは、最終的には市場に投入されているあらゆるスマートフォンの統合をサポートするようになるだろう」と予測している。
だが、現在、自動車メーカーが直面している状況は極めて混沌としているように見える。Lanctot氏は、車載アプリの開発における混乱を「不運な移り変わりの段階」とした上で、「次のステップは、一貫した方法で全てのスマートフォンをサポートする単一のプラットフォームだ」と説明した。同氏はこうしたプラットフォームの一例として、OpenCarやAirbiquity、Abalta Technologiesのプラットフォームなどを挙げる。
同氏は「スタートとしては、OpenCarがよいのではないか」と述べる。実際、OpenCarのWebサイトには「自動車と、モバイルアプリのエコシステムを橋渡しする、次世代のアプリケーションプラットフォーム」とうたっている。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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