ルネサスは同日、2015年3月期第3四半期(2014年10月〜12月)の業績予想を公表し、売上高は第2四半期に比べ、13.8%減となる1790億円となるとした。主な減収要因は、2014年10月1日付でシナプティクスに中小型液晶ドライバ事業(ルネサスエスピードライバ[RSP])を売却したことによるものだ。
しかし、第3四半期の半導体売上高予測は、同事業の売上高相当分を差し引いた第2四半期半導体売上高(1786億円)と比べても、他の事業撤退の影響が残り5.9%の減収となる。「自動車向けは堅調な需要を背景に前四半期比1桁%前半の増収を見込むも、汎用製品は、産業、家電向けは好調だが、OAやICTなど向けで事業撤退影響で10%台前半の減収となる」(柴田氏)。
第3四半期の売上高総利益率は38.5%と前四半期から減少するが、RSPの売却に伴い一時的にシナプティクスに代わって、マージン(利益率)ゼロで出荷する60億円分の売上高を除いた実質的な売上高総利益率は39.9%となる見込み。柴田氏は「ペースは落ちるものの、収益性は第3四半期も引き続き改善する」とした。
2010年4月のルネサス エレクトロニクス発足後、通算6回目となる今回の早期退職優遇制度は、1800人の応募を想定しており、同制度実施に伴う特別損失は「100億円を下回る程度」(柴田氏)で、第3四半期中に計上する。また、今回の人員削減効果としては、年間100億円程度の固定費削減に寄与する見込みだ。
今後の追加リストラの可能性について問われた柴田氏は、「『変革プラン』(関連記事)として公表している通り、2016年3月期いっぱいを掛けて、再編を実施し、二桁%の営業利益率達成を目指していく。それに向けて着実に歩を進めている状況。生産拠点の再編は、なるべく多くの雇用を維持するという考えの下で、いろいろな取り組みを行っている。相手もあることなので、どうなるか分からないが、現状、取り組んでいることが全てうまくいけば、(結果として)資産の減損といった(追加的な)特別損失が発生することもあり得る」と語った。
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