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「A8」と「Exynos 5430」を比較――性能/機能のApple、消費電力/コストのサムスン同じ20nmプロセスだけど異なる思惑(2/2 ページ)

» 2014年09月19日 07時00分 公開
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GPUも強化された「A8」

 GPUの性能向上は、GPUクラスタの性能を50%高めたことによって実現したといえる。A7は、4つのシェーダークラスタを備えた、Imagination Technologies Group(IMG)のGPUコア「PowerVR Series6」(コードネーム:Rogue)を搭載している。性能を50%高められた直接の要因としては、シェーダークラスタの数を50%増やしたことが挙げられる。またAppleは、A8のイメージ処理機能も一部向上させたとしている。

20nmの歩留まりは?

 20nmプロセス技術を適用したウエハーの品質には、まだばらつきがある。Samsungによると、同社の20nmプロセス技術は社内専用のものであり、社外向けには使用しないという。AppleのA8の製造に関しては、SamsungかTSMC、または両社が担うことになるのか、まだ分かっていない。AppleとSamsungはいずれも、既に自社の最新スマートフォン向けSoCに20nmプロセス技術を適用しているが、Qualcomm(クアルコム)の20nmプロセス適用の新型プロセッサ「Snapdragon 810」および「Snapdragon 808」については、出荷開始時期が2015年前半以降になる予定だという。

 Appleは、20nmプロセス技術を適用し、トランジスタを10億個追加することによって、新型iPhoneの大幅な性能向上を実現した。一方Samsungは、ARMの64ビットCPUアーキテクチャ「ARM v8」への移行を見送ってまで、消費電力量の低減とダイサイズの縮小に力を注いだようだ。

競合との争い激化で、コスト重視か

 Samsungは、世界各国で大規模に製品を展開していることから、MediaTekやQualcommなどのメーカー各社と競合するために、コストの削減に力を入れたのだろう。一方Appleは、ダイの性能/機能の向上に積極的に取り組んだ。しかし両社とも、旧世代の製品からアーキテクチャを大幅に変更してはいない。さらなる大きな変化が見込まれるのは、16nm/14nm世代のFinFETプロセスが実現してからのことになるだろう。

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【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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